映画『名もなき野良犬の輪舞』応援記事置き場

2018年5月公開の映画『名もなき野良犬の輪舞 (原題:不汗党) 』応援用ブログです。翻訳は素人です。

【ソル・ギョング受賞論評】2017年韓国映画評論家協会賞

ソル・ギョング氏のお誕生日を記念して、2017年10月に彼が韓国映画評論家協会賞主演男優賞を受賞した際の、映画評論家 ソン・アルムさん(ちなみに不汗党員だそうです)による「受賞理由」論評を翻訳しました。

なお翻訳は『不汗党』に関する部分のみ抜粋しております。ご了承ください。

また『不汗党』本編に関するネタバレを多分に含みます!ご鑑賞後にお読みいただくことをお勧めします。

 

ソルグさんHappy Birthday!!

 

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 映画『不汗党』においてハン・ジェホが、いや、この人物を演じる俳優が重要である理由は、彼がこの映画のジャンルを新たに打ち立てられる存在でなければならなかったためだ。一見潜入捜査ノワールを標榜したように見える『不汗党』は、映画がおよそ半分を過ぎたところで警察が自身の正体を告白するという点において、これ以上このジャンルとしてストーリーを進行させることには興味がないことを明らかにする。これによりソル・ギョングの前に投げ出された課題は、自身が警察だと告白した男性と行動を共にするにあたって妥当なる理由を提示することとなり、彼は「男男ケミ」「ブロマンス」などのような、明らかに存在する感情を希釈する単語では表しようのない、ただ愛という言葉によってのみ説明可能なまなざしと行動でもって、その解を差し出してみせた。同年代の俳優達が見せる歩みと比べ完全に突出したソル・ギョングの選択は、彼がそれだけ自由であったからこそ可能なものであった。ソル・ギョングは時には切実さでもって、時には荒々しい振る舞いでもってハン・ジェホを描き出し、近年の荒唐無稽な男性性の系譜にあるキャラクター群とも分離した興味深いキャラクターを誕生させ、また愛に誤った者の痛みまでを浮き彫りにし、俳優として新たな道を切り開いた。今や彼の名前の前には、2017年『不汗党』が新たな修飾語として深く刻まれることだろう。

平凡さゆえに常に体を酷使し、違う人物のように見せる他なかったという彼の言葉は、ハン・ジェホをもってその信憑性を失った。『不汗党』で彼が見せてくれた俳優としての鋭敏さは、あらゆる瞬間そこにあり、彼を変化させ、こちらの目を開かせた。今後も彼が誰も予想できない地点に存在することを祈り、今再び受賞を祝う。

<文:ソン・アルム>

 

出典:

 

翻訳:@TheMercilessJPF

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